軍用地とは何か? | 軍用地投資ブログ

2020年10月02日

沖縄の軍用地について徹底解説。今回は軍用地とは何なのか、分かりやすくご説明いたします。

 

 目次

 - 軍用地投資ブログをはじめます。

 - 軍用地とはいったい何のこと?

 - 借地料(地代収入)について

 - 軍用地はどこにあるのか?

 - 軍用地はいつからあるの?

 

「軍用地投資ブログ」をはじめます。

 

皆さま、はじめまして。軍用地売買の専門会社「開南コーポレーション」代表の新垣と申します。

当社のホームページをご覧のお客様には、軍用地主の皆さまをはじめ、軍用地売買の経験豊富な方が多くいらっしゃいますが、ここ数年「これから軍用地投資はじめたい」というビギナーの方からのお問合わせをいただく機会が増えてきました。

こうした軍用地初心者の方々に、軍用地の基礎知識から投資ノウハウまで幅広く知っていただこうということで、このたび「軍用地投資ブログ」を始めることにいたしました。隔週での公開を予定しておりますので、うちなーんちゅの方はもちろん、沖縄県外にお住まいの方も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

記念すべき初回のブログでは、投資をするうえで最低限理解しておくべき「軍用地のキホンのキ」についてお話しいたします。すでにご存じの方もいらっしゃいましたら、おさらいとしてお読みいただければと思います。

 

軍用地とはいったい何のこと?

 

沖縄県外にお住まいの方には聞き覚えのない「軍用地」という言葉ですが、簡単に言えば「米軍基地および、自衛隊施設として使用されている土地」を指します。ただし、なかには「那覇空港用地」のように、現在では民間利用されている土地もあります。これには、那覇空港がかつては軍用飛行場として日本軍・米軍の管理下におかれていたという歴史が大きく関わっているので、そのことも合わせて理解しておくとよいでしょう。

ちなみに、那覇空港用地はすでに民間利用されているため返還の可能性が低いと考えられているため、非常に高値で取引されることが多いエリアです。業界的にはプレミア物件とも言えるので、もし運よく手ごろな物件を見つけたら(資金に余裕があればですが)、即買いをおすすめいたします。このあたりの詳細については、また後日ふれさせていただきますね。

話がそれましたが、上記で説明したように、軍用地とは米軍基地・自衛隊施設等として使用されている土地のことを指します。これらの多くは、国が個人所有の土地を強制的に借地し、そのうえで米軍や自衛隊に提供しています。現在、国は地主(軍用地の所有者)に対して合計約1,000億円(年間)を支払っており、その額は年を追うごとにふくらみ続けています。

以下の資料は、令和元年版の第62回沖縄県統計年鑑を参照し、ここ数年の軍用地料の推移について分かりやすくまとめたものです。参考までにぜひご覧ください。

 

資料1(米軍施設の年間借地料の推移)

 

資料2(自衛隊施設の年間借地料の推移)

 

※軍用地料の年次推移については、沖縄県の統計資料サイト(現在はPCのみの閲覧対応のようです)にてご確認いただけます。より詳細な数字を知りたいという方はどうぞご欄ください。

 

借地料(地代収入)について

 

先にも述べたとおり、軍用地とは国が強制的に借地している個人所有の土地です。つまり、個人が国に対して土地を貸しているわけです。当然、そこには借地料が発生しますが、軍用地取引においては「軍用地料」や「地料」などと呼ばれることも多いので、頭に入れておかれるとよいと思います。

借地料は毎年変動するのですが、その年ごとに国(防衛施設局)と沖縄県軍用地主連合会との間で交渉が行われ、その結果に基づいて翌年分の金額が決定されます(正確には、借地1㎡あたりの変動額について交渉が行われます)。

変動額が定まれば自ずと借地単価が決まり、それに面積をかけたものが年間の借地料となります。例えば、1㎡あたり2,500円の借地単価で、100㎡の面積がある場合には、年間借地料は、2,500×100=250,000円となるわけです。

 

軍用地はどこにあるのか?

 

結論から申し上げると、軍用地のほとんどは沖縄県にあります。というのも、ご存じのとおり、沖縄には(平成29年3月現在)全国に存在する米軍専用施設・共用施設(一時使用施設を除く)の約70%が集中し、他の都道府県に比べて圧倒的に広い面積を占めております。

 

宜野湾市にある普天間飛行場の遠景

 

もちろん、沖縄県外にも米軍基地は存在しており、全国各地に点在しております。ですが、そのほとんどが国有地でまかなわれているため、個人所有の土地である軍用地の数はごく少数。売買物件として、市場に出回ることはほぼありません。ですから、沖縄県外にお住まいの方が「軍用地なんて聞いたことがない」とおっしゃるのは、ある意味で、当たり前といえば当たり前のことなのです。

実際、ごくまれに県外の不動産業者から当社に「軍用地の売却依頼があるのだけれど、値付けの仕方が分からないので相談にのってもらいたい」という話があったりします。このことからも、沖縄県外では軍用地の取引自体が非常にめずらしいということがお分かりいただけるかと思います。

 

軍用地はいつからあるの?

 

ご存じのとおり、太平洋戦争における敗戦(昭和20年)により、沖縄は米軍の占領統治下におかれました。同時に、多くの土地が基地建設用地として強制的に接収されたわけですが、そうして生まれたのが軍用地です。しかしながら、まともに借地料が支払われるようになったのは、軍用地の取得や地代の評価・支払方法に関する制度が確立された昭和34年以降のこと。戦後しばらくの間は地代の支払いは一切なく、土地はすべて無償で使用されていました。

こうして戦後15年近く経って、ようやく借地料が支払われるようになったのですが、当初の支払額は微々たるもので、土地を売りに出したとしてもほとんど二束三文状態。時には、お酒やタバコ欲しさに自らの軍用地を売り払う人もいたようです。

その後、沖縄の経済復興とともに借地料が年々値上りするようになると、収益性を見込んで土地を売買する地主や、そうした取引を仲介・斡旋する者たちも出てきました。こうした流れは、沖縄の本土復帰や本土資本の流入によりいっそう盛んになり、1980年代には軍用地取引の仲介を行う専門会社が多く生まれることになりました。

 

次回ブログへと続きます。

 

長くなってしまいましたので、初回のお話はここまでといたします。お読みいただいた皆さま、ありがとうございます。次回のブログでは、軍用地には具体的にどのような施設や場所があるのか、よりくわしくお伝えしていければと思います。それではまた。

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