軍用地投資のデメリット | 軍用地投資ブログ
2021年01月22日
目次
- はじめに
- 黙認耕作地の存在
- 次回ブログへ
はじめに
皆さま、こんにちは。開南コーポレーション代表の新垣です。前回ブログでは、軍用地投資のさまざまな特長についてお伝えしてきましたが、今回はその反対。デメリット的な要素についてお伝えしていければと思います。
というのも、メリットだけをお伝えして終わりにしてしまうと、情報として公平性に欠けてしまいますし、また、軍用地について情報収集をされている投資家の皆さまが本当に知りたいのは、どちらかというと「ネガティブな面」だろうということもありました。
今回の記事で、メリット・デメリットの情報がすべて出そろいますので、ぜひ双方を比較・検討したうえで、投資の可否をご判断いただければと思います。
軍用地のウィークポイント
本来はオススメする側であるにもかかわらず、軍用地のデメリットをご紹介するというのもおかしな話ではありますが、正直なところ、軍用地投資にはこれといった欠点がないというのが本音です。実際に、お客様からも「マイナス要素がなさすぎて、最初は詐欺なんじゃないかと思いました!」と言われたことがあるくらい、目立ったデメリットは存在しません。
とはいえ、ほかの投資と比較した場合の「ウィークポイント」は存在しますので、本項ではそのあたりについてご説明したいと思います。
ほかの投資に比べてやはり見劣りするのは「利回りの低さ」です。軍用地の金利は複利式で年3%程度ですので、一般的な不動産投資と比べてかなり低く、株や為替などのハイリターン型の投資と比べるとその差はかなりものです。
とはいえ、基本的に軍用地投資は長期的に安定運用することに意味がありますので、どちらかというと比較対象としては定期預金や国債などがふさわしいように思います。そう考えれば、複利で3%という利回りは、必ずしも低いものではないとご理解いただけるのではないでしょうか。
黙認耕作地の存在
金利の低さともうひとつ。やはり皆さん、ネックに感じられているのは「返還リスク」ではないかと思います。
これについては、以前ブログでご説明したとおり、現在返還が予定されている施設を除けば、全面的に返還・統合・縮小される可能性は低いと考えられます。
しかしながら、施設の一部返還という形であれば、今後もその可能性がまったくないというわけではありません。実際、同じ施設内であっても返還リスクが比較的高いエリアとそうでないエリアとがあり、軍用地購入の際には、こうした土地の見極めが非常に大切になってまいります。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、軍用地には「フェンス内」と呼ばれる土地と「フェンス外」と呼ばれる2種類の土地が存在します。軍用地ビギナーのなかには「基地はすべてフェンスの中にあるのでは?」と不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際には、基地施設としては利用されないまま(地主によって)畑などに転用されている「黙認耕作地」と呼ばれるエリアがあり、その多くがフェンスの外側に存在しております。
こうした黙認耕作地は、基本的に米軍が使用していない土地であり、何かの拍子に返還される確率が高く、長期的に安定して保有したいという方には不向きといえます。また、周囲が市街地化されておらず、土地開発の予定もないような地域の土地である場合、返還後に価値が下落する可能性も考えられます。
というわけで、このような土地が存在するということをしっかりと頭に入れておいていただき、ご購入時のリスクヘッジにお役立ていただければと思います。
借地料(賃料)は値下がりしない?
前項では、黙認耕作地についてご説明いたしましたが、ここでは借地料(賃料)が値下がりする可能性についてお話ししたいと思います。
まず前提として、借地料はここ30年以上、一度も値下がりしたことがありません。バブル崩壊やリーマン・ショックによって一般の不動産価格が大きく落ち込んだ時でさえ、軍用地の借地料は安定して値上がりを続けてきたという実績がございます。
ただ数年前に一度だけ、伊江島の補助飛行場については、国から借地料の値下げ提示がありました。これには、当該軍用地の敷地に占める黙認耕作地の割合や、島内の土地公示価格の下落が影響していると考えられますが、結局はこの時も提示があっただけで、土地連(一般社団法人 沖縄県軍用地等地主会連合会)との交渉の結果、最終的に値下げされることはありませんでした。
借地料のベースとなる借地単価は、毎年、国と土地連側との交渉によって決定されます。土地連は、各行政区域の「地主会」からの要請をまとめて国との折衝に臨むわけですが、ここ最近は、基本的に県内各地の地価上昇率をベースとし、米軍関連の事件・事故・その他の基地問題を総合的に勘案して要求を行っていると考えられます。
当然そこには国側の政治的な思惑も含まれていますので、普天間飛行場の返還や辺野古の新基地建設の進展状況なども、少なからず影響していると考えるのが自然でしょう。
以上のことから、借地料については、これまでどおり安定的に値上がりしていくことがほぼ確実視されております。また、マンション・アパート経営とは異なり、コロナ・ショックによる賃料の下落(および家賃滞納・不払い)も一切ありませんので、その点についてもご安心いただければと思います。
土地売買時のよくある失敗
ここからは、軍用地売買の際にありがちな失敗について、ご紹介していきたいと思います。はじめて軍用地をご購入される方、ご売却される方は、ぜひご一読ください。
購入時
基本的に、軍用地はとてもシンプルな不動産ですので、購入に関して特別何かをしなければいけないということはありません。そういう意味では、一般的な不動産売買に比べたら、ストレスなく手続きを行うことができると思います。
ただし、一点だけご注意いただきたいポイントがございます。
それは「名義変更」のタイミングです。というのも、軍用地の借地料(賃料)は、例年7~8月に一括で支払われるため、先行して4~5月頃には振込に関する事務手続きが地主会・防衛省側で行われます。ですので、それ以前に名義変更を済ませて地主会へ届け出ておかないと、以前の地主の方へ借地料が入金されてしまうのです。
2~4月頃に軍用地を購入予定の方は、このことをよく覚えておいていただき、名義変更のタイミングを逸することのないようくれぐれもご注意ください。当社の場合は、当然こうした事態に陥らないよう、事前にお客様にお伝えしながら進めてまいりますので安心ですが、軍用地業者によっては事前に説明がなかったりするケースもあるようですので、ご注意いただければと思います。
売却時
購入時に比べると売却におけるトラブルはほとんどありませんが、ひと昔前には、取引の最終段階になっていきなり不動産ブローカーらしき人物が現れて、手数料を要求するというケースがあったようです。
当然、当社での話ではありませんし、今ではあまり聞くこともなくなりましたが、念には念をということで、ご売却の際は「仲介」ではなく、信頼のおける会社に「直接買取」をしてもらうことをおすすめいたします。
次回ブログへと続きます。
…ということで、今回は軍用地投資のデメリットについてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。マイナス面について書いているつもりが、最終的にはいつのまにかプラス面の話になってしまいましたが、ある意味でそれくらい軍用地には欠点らしい欠点がないということの証なのかもしれません。
あらかじめ、利回りが高くなく、一部返還の計画があるという軍用地の特徴を理解しておけば、あとはそこまで恐れる必要はありませんので、ご興味のある方はぜひはじめの一歩を踏み出していただければと思います。
それではまた、次回のブログをお楽しみに!