軍用地ローンについて | 軍用地投資ブログ

2021年07月02日

沖縄の軍用地について徹底解説。今回は、県内の銀行各社が提供する「軍用地ローン」のかしこい利用方法についてご紹介いたします。

 

 目次

 - はじめに

 - 軍用地ローンとは?

 - 金融機関ごとの違い

 - 施設ごとの融資倍率

 - こんな方に人気です

 - 沖縄県外に在住の場合

 - 次回ブログへ

 

はじめに

皆さま、こんにちは。開南コーポレーション代表の新垣です。

前回のブログでは、実際に物件を購入する際の確認事項や契約時の注意点などをご紹介いたしましたが、今回は購入資金の調達という視点から、軍用地専用のローン商品についてお話ししたいと思います。

当社のお客様にも軍用地ローンを組まれている方は沢山いらっしゃいますので、資金的なゆとりがなく現金一括で支払うのが厳しいという方は、ぜひ当記事を参考にして上手にご活用いただければと思います。

 

軍用地ローンとは?

軍用地ローン(または軍用地主ローン)とは、読んで字のごとく軍用地主向けのローンのことで、軍用地売買が盛んな沖縄県内の地銀や信用金庫では、ごく一般的に取り扱われている融資商品のひとつです。

すでに軍用地を所有している方はもちろん、はじめて軍用地を購入される場合でも利用でき、対象となる軍用地に根抵当権を設定することで、原則保証人なしで借入れを受けることが可能。土地自体に高い担保力があるからこそ成立する、軍用地独自の不動産担保ローンといえます。

売買価格のおよそ20%程度の自己資金は必要ですが、貯蓄にゆとりのない若い世代の方々にとってはとても便利なローンとなっておりますので、特徴をよく理解したうえで有効活用していただければと思います。

 

金融機関ごとの違い

ひとことに「軍用地ローン」と言っても、金融機関ごとにその内容はさまざまですので、ここからは各社のローン詳細についてご案内していきたいと思います。

なお、金利に関しては各社変動金利で2~3%前後が一般的なようですが、利率に関してはしばしば数字が変わりますので、気になる方はぜひご自身で窓口へご確認いただければと思います。

 

■ 琉球銀行

当座貸越型 軍用地主ローン

■ 対象者(個人)

– 個人
・ 軍用地主または新規で軍用地を取得する方
・ 一等親の親族による軍用地の担保提供が可能な方
・ 借入時年齢が満20歳以上満75歳以下の方

– 法人
・ 法人名義で軍用地を所有または新規で軍用地を取得する先
・ 軍用地の担保提供が可能な先

–  琉球銀行口座に軍用地料の振込を指定している方(琉球銀行口座へ変更が可能な方)

■ 資金用途

非事業性資金:自由
事業性資金:運転資金

■ 借入金額

極度枠 100万円~5億円
※年間借地料の所定倍率の範囲内
※既存の当貸型軍用地主ローンとあわせ5億円以内

■ 借入期間

担保軍用地返還日まで
故人の場合、満81歳の誕生日前日まで

■ 適用金利

変動金利(琉球銀行所定の金利)
※1億円以上借入れる場合は0.5%優遇

■ 担保

当該軍用地に第一順位の根抵当権を設定

■ 保証人

原則不要

 

軍用地主ローン

■ 対象者

・ 個人の軍用地主または新規で軍用地を取得する個人(琉球銀行に借地料の振込を指定されている方、または新たに指定される方)
・ 原則20歳以上で最終返済時の年齢が80歳以下の方
・ 県外在住のお客様の場合は、軍用地主会へ加入いただける方

■ 資金用途

自由

■ 借入金額

50万円~2億円
※年間借地料の所定倍率の範囲内

■ 借入期間

対象軍用地により異なる

■ 適用金利

変動金利(琉球銀行所定の金利)

■ 担保

当該軍用地に第一順位の根抵当権を設定

■ 保証人

原則不要

 

■ 沖縄銀行

枠々軍用地ローン

■ 対象者

・ 軍用地主
・ 本件ローンにより軍用地主となる方
・ 沖縄県内在住の方

■ 資金用途

自由

■ 借入金額

極度枠 100万円~5億円

■ 借入期間

3年(原則として自動更新)

■ 適用金利

変動金利(沖縄銀行所定の金利)

■ 担保

対象軍用地に根抵当権を設定

■ 保証人

原則不要

 

軍用地ローン

■ 対象者

・ 軍用地主
・ 本件ローンにより軍用地主となる方
・ 沖縄県内在住の方

■ 資金用途

自由

■ 借入金額

2億円以内
※年間借地料の所定倍率の範囲内

■ 借入期間

施設によりそれぞれ10・15・20・25年の期間以内

■ 適用金利

変動金利(沖縄銀行所定の金利)

■ 担保

対象軍用地に抵当権および根抵当権を設定

■ 保証人

原則不要

 

■ 沖縄海邦銀行

軍用地主ローン

■ 対象者

・ 軍用地主または地主の一親等の続柄の方
・ 軍用地料の振込を海邦銀行に指定している方(振込実績がなくても、次回の料振込から海邦銀行に指定が可能な方)

■ 資金用途

自由(ただし、ギャンブルや投機的資金は対象外)

■ 借入金額

1億円以内

■ 借入期間

1~25年(据置期間1年以内)
※施設の返還状況で期間を設定

■ 適用金利

変動金利(海邦銀行所定の金利)

■ 担保

当該軍用地

■ 保証人

原則不要

 

■ コザ信用金庫

軍用地カードローン

■ 対象者

・ 軍用地主でコザ信用金庫へ口座振込指定のある方(またはコザ信用金庫へ振込指定の変更が可能な方)
・ 一等親の親族による軍用地の担保提供が可能な方
・ 満20歳以上満75歳未満の方

■ 資金用途

自由

■ 借入金額

100万円~1億円

■ 借入期間

2年ごとに更新(2年ごとに担保および借地料の振込を確認)

■ 適用金利

変動金利(コザ信用金庫所定の金利)

■ 担保

対象軍用地に根抵当権を設定

■ 保証人

原則不要

 

上記のほかに、土地連(一般社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会)が提供する「わした土地連共済」というものもあり、1%程度の比較的低い金利で、最大3500万円まで融資を受けることが可能です。詳細については、後日また別の回でご説明させていただく予定ですので、ぜひそちらを参考にしていただければと思います。

 

施設ごとの融資倍率

県内の金融機関各社では、それぞれ施設別に「年間借地料の●倍」といった形で融資限度額(ならびに融資期間)を設定。担保評価の高い施設から順に「特A・A・特B・B・C・D・E」といった具合に、7段階にランク付けしております。

なお、ここでの倍率はあくまで金融機関が独自に定めた融資倍率であって、売買価格を算出する際の倍率とは別物ですので、くれぐれも混同しないようご注意ください。また、融資倍率に関しては頻繁に更新されるため、最新の情報が気になるという方は、各社窓口にてお問合わせいただければと思います。

以下、各ランクごとに主な施設をいくつかご紹介させていただきます(平成30年度時点/当社調べ)。

特A施設

特A施設は、融資限度額:年間借地料の50倍以内、融資期間:50年以内とされております。

・牧港補給地区
・嘉手納飛行場
・那覇空港用地
・航空自衛隊那覇基地
・その他

A施設

A施設は、融資限度額:年間借地料の45倍以内、融資期間:45年以内とされております。

・那覇港湾施設
・その他

特B施設

特B施設は、融資限度額:年間借地料の40倍以内、融資期間:40年以内とされております。

・嘉手納弾薬庫地区
・キャンプ桑江
・その他

B施設

B施設は、融資限度額:年間借地料の35倍以内、融資期間:35年以内とされております。

・普天間飛行場
・ホワイト・ビーチ地区
・トリイ通信施設
・キャンプ瑞慶覧
・その他

C施設

C施設は、融資限度額:年間借地料の30倍以内、融資期間:30年以内とされております。

・伊江島補助飛行場
・キャンプ・シュワブ
・キャンプ・ハンセン
・その他

D施設

D施設は、融資限度額:年間借地料の25倍以内、融資期間:25年以内とされております。

・辺野古弾薬庫
・八重岳通信所
・その他

E施設

E施設は、融資限度額:年間借地料の15倍以内、融資期間:15年以内とされております。

・北部訓練場
・その他

 

こんな方に人気です

当社の例を挙げるとすれば、軍用地ローンは、20代~30代の比較的若いサラリーマン投資家の方々に人気がございます。現時点での貯えがそこまでなくとも、先々まだ長いことを考えれば、財形貯蓄するよりも軍用地の方がはるかに魅力的ということで、若いうちから投資される方が近年増えてきているのです。

なお、軍用地は金融商品としての側面もあることから、一般的な住宅ローンなどと比べてやや審査が厳しい部分もありますが、軍用地自体の担保力が非常に高いため、売買価格の20~30%程度の自己資金が準備できてさえいれば、スムーズに通る可能性は高いと考えてよいかと思います。

 

沖縄県外に在住の場合

沖縄県外にお住まいの方に関しては、残念ながら現在ほとんどの金融機関が対応しておらず、軍用地ローンの利用がむずかしい状況です。

ただし、琉球銀行の「軍用地主ローン」に関しては、県外在住の方でも(軍用地主会へ加入いただいていることを条件に)利用できるようですので、関東周辺にお住まいの方は、まずは東京都千代田区にある琉球銀行東京支店へ相談してみるとよいでしょう。

 

次回ブログへ

今回は購入編の続編ということで、軍用地ローンの基礎知識についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

ここ数年で軍用地の認知度も高まり、以前に比べて若いお客様からの引き合いは確実に増えてきておりますが、20代~30代前半の一般的な会社員の方が、1000万円前後の土地をポンッと現金一括で購入できるかというと、なかなかむずかしいのが現実です。

今回ご紹介した軍用地専門のローン商品は、ぜひともそうした資金面にゆとりのない若手投資家の方々にこそ利用していただければと思います。軍用地は長期間保有すればするほどリターンが確実に増える投資物件ですから、できるだけ若いうちに購入し、数十年単位で運用することをおすすめいたします。

次回は、軍用地への追加投資や物件の複数所有について、さまざまな角度からみていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

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