軍用地売買で気をつけたいトラブル | 軍用地投資ブログ

2021年08月06日

沖縄の軍用地について徹底解説。今回は、軍用地物件を購入する際に気をつけたい詐欺やトラブルについてご紹介いたします。

 

 目次

 - はじめに

 - 物件探しにおけるトラブル

 - 費用に関するトラブル

 - 土地に関するトラブル

 - 運用開始後のトラブル

 - 次回ブログへ

 

はじめに

皆さま、こんにちは。開南コーポレーション代表の新垣です。

前回のブログでは、購入編の最終回ということで、軍用地の追加購入のメリットや注意点などについてお話しさせていただきましたが、今回はまた少し違った角度から、軍用地売買に関するトラブル事例についてご紹介したいと思います。

軍用地ビギナーの方が少しでも安心して投資をはじめられるよう、シチュエーションごとの注意点や予防策をまとめておりますので、これから物件を購入されるという方は、安心のためにぜひお読みいただければと思います。

また、過去に軍用地の購入経験がある方でも、別の業者から物件を購入される際、または個人間で直接売買を行う場合などには注意が必要ですので、この機会に目を通していただければと思います。

 

物件探しにおけるトラブル

軍用地ビギナーはご注意を

はじめに、物件を検討している段階で起こりえるトラブル事例をいくつかご紹介。ひとつめは、不動産会社側の不手際によって、物件の位置情報について誤った認識を与えられてしまうケースです。

もっとも分かりやすい例でいえば、その土地がフェンスの外側と内側、どちらに位置するのかという点です。以前の記事でもご説明したとおり、これは返還リスクを考えるうえで非常に大きなポイントですので、事前にはっきりさせておかなければなりません。

しかしながら、不動産会社によっては、ネガティブな情報はできるだけ伏せておきたいという思惑があり、その土地がフェンス外にあるという事実をホームページや新聞広告上に積極的に記載していない場合があるのです。

また、なかには「航空写真をお見せしているので、それを見ればフェンスの内側か外側かは分かるはず」といった感じで、非常に不親切な態度をとる業者もあるようです。ですが、専門の業者でもないかぎり、航空写真を見ただけではフェンスがどこにあるのか判断するのはむずかしいため、正確な位置関係は不動産会社がきちんと説明すべきものだと私どもは考えております。

ちなみに、所有する軍用地がフェンスの外側にあるということを、物件を売却する段階ではじめて知ったという方もなかにはいらっしゃるようで、信頼できる軍用地業者を探すことがいかに大切かということが、このことからもご理解いただけるかと思います。

 

沖縄県外に在住の場合

県外にお住まいの方(または県外出身者)の場合、施設やその周辺の地理関係を今ひとつイメージできないという方も少なくありません。これは致し方のないことですが、なかには腰の重たい業者もあり、土地に不案内な県外のお客様だと分かると、どうせ見ても分からないだろうと航空写真すら見せず、ロケーションに関する情報提供を適当に行うケースもあるようです。

これは100%不動産会社側のサービス品質の問題ですので、もし業者の説明があいまいであったり、接客態度にルーズな部分があるようでしたら、迷わず別の会社を当たるべきでしょう。売り手市場の軍用地業界では、まだまだ殿様気質の不動産業者も少なくありませんので、くれぐれも足元を見られないよう注意していただければと思います。

当ブログでも再三申し上げておりますが、軍用地投資をされる方の多くは初心者です。何も知らなくて当然ですので、どうか遠慮なさらずに疑問に思ったことはドンドン質問してみてください。もしそこで面倒くさそうな態度を見せるようであれば、その業者との取引は避けた方が賢明でしょう。

 

費用に関するトラブル

仲介手数料の有無

軍用地関連のトラブルでしばしば耳にするのが、仲介手数料に関するトラブルです。というのも、ひと昔前までの軍用地業界では、ブローカーを間に挟んだ取引がふつうに行われており、その名残りもあってか、仲介手数料を追加請求されるといったケースが今でもあるからです。当社の場合には、基本的に売主物件を直接販売しておりますので、このようなケースは起こりえませんが、仲介物件(または取引形態が不明な物件)を購入される際には、ぜひともご注意いただければと思います。

また、いくつもの仲介業者を経由している場合には、その業者数分ごとに手数料の支払いを求められるといったケースもあるようですので、仲介物件を購入する際は、自分が支払う仲介手数料の総額について、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。

 

手付金詐欺

一般的な不動産取引と同様、手付金を狙った詐欺などもないとは言えませんので、支払いを急かされたり、金額を多く要求されたり、何かしら不審な動きがある場合には、その業者との取引を見合わせた方がよいでしょう。

人気の施設であるとか、倍率が相場よりも低いといった好条件がそろっていると、どうしても焦って購入してしまいがちですが、そんな時こそ冷静に判断していただければと思います。

 

宅建免許をもたない業者

一般的な不動産と比べて軍用地は、個人間での売買がまだまだ盛んに行われていることから、宅地建物取引業免許をもたない業者も一定数存在していると考えられます。

こうした無免許業者はホームページなどで大々的に販売することはせず、あくまで仲介業者として別の不動産会社に物件を提供しているというケースがほとんどだと思いますので、お客様ご自身が直接コミュニケーションをとる機会は少ないかと思いますが、万が一トラブルになってしまった場合、宅建協会・保証協会などの団体に頼ることができませんので、その点は頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

 

個人業者

前項でも少しふれましたが、軍用地を個人間で売買されている方は、今でも一定数いらっしゃいます。しかしながら、当社のようなプロの不動産会社の立場からしますと、やはり個人間での軍用地取引は非常にこわいところがあるというのが正直な感想です。

一般の個人から直接購入することの最大のメリットは、仲介手数料を払わないで済むという点かと思いますが、もし何か問題があった場合、一切補償が受けられない可能性があるということは肝に銘じておく必要があるでしょう。

手前みそで恐縮ではありますが、当社のように長年実績のある法人に依頼すること、信頼できる会社をしっかりと選ぶことこそが、トラブルに巻き込まれないための最善の予防策であるといえるのです。

 

土地に関するトラブル

登記事項と物件情報の内容が違う

ルーズな業者の場合、ホームページや新聞広告に掲載している航空写真の情報が、登記事項証明書(登記簿謄本)の内容と微妙に違っているケースもあるのでご注意ください。例えば、土地の面積が広く表示されていたり、位置が微妙にずれていたりと、一見しただけでは気づかない程度の違いですと後々トラブルのもとになることもありますので、地籍併合図を用意してもらうなどして正確に確認していただければと思います。

 

地目が墓地という土地も

業者によっては、物件の地目についてのチェックが甘い場合もあるので注意が必要です。というのは、軍用地には「墓地」評価の土地が少なからずあり、そのことを積極的に知らせてくれないケースがあるからです。

軍用地はその性質上、基本的に使用することを前提としていない土地ですが、それでも地目が墓地であるかどうかを気にするお客様(特に沖縄県内の方)も多く、なかには倍率を微妙に下げて販売することもあるほどです。そのため業者としては、地目が墓地である(または墓地であった)ことをできるだけ伏せておきたいという心理がはたらくのです。

ちなみに当社の場合は、基本的に地目が墓地の場合であっても同倍率で売り出しておりますし、事前にすべて包み隠さずお伝えしておりますのでどうぞご安心ください。

 

ネガティブな面の確認を

上記の「墓地」の場合もそうですが、土地には必ずポジティブな面とそうでない部分があります。ですので、不動産会社の担当がよい部分だけを話してネガティブな部分にふれない場合は、自ら気になるポイントを聞くようにしてください。

前述の「フェンス内だと思っていたらフェンス外だった」というケースを筆頭に、「滑走路部分ということで安心していたら、実は少し離れた場所だった」、「平坦な地形を想像していたが傾斜地だった」など、実際に土地を確認できないことをよいことに、その土地のデメリットとなる情報が正確に伝えられていないことがままあるので、その点は買い手側が賢くなるほかありません。

これは軍用地に限った話ではありませんが、やはり物件のマイナス面についてきちんと伝えてくれる業者であればあるほど信頼できるといった傾向はあるように思います。

 

運用開始後のトラブル

ゼロではない返還リスク

軍用地の唯一にして最大のリスクといえば「返還」ですが、なかには「この施設は返還されませんのでご安心ください」と断定的に語る業者も存在します。ですが、返還リスクは当然ながらゼロではありません。施設によってもその度合いは異なりますし、政治・外交・軍事的観点などから日々状況が変化していくのは当然のことです。

「返還リスクゼロ」などと耳に心地よいことばかり繰り返す業者は、かえって状況把握が正確にできていない可能性もありますので、そうした意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、リスクが低いと考える理由を客観的かつ論理的に説明してもらうようにしましょう。

 

借地料の振込に関するトラブル

以前のブログ記事でもご紹介したとおり、3~4月頃に物件を購入される方は、当該年度分の借地料を受取ることができるかどうか、きちんと確認しておく必要があります。これは、借地料の入金が毎年7月末ごろに行われることに関係しているのですが、契約後の登記手続きや地主会への届け出が期日までに終わらないと、その年の借地料は以前の土地所有者に振り込まれてしまうのです。

特に、嘉手納飛行場のように多くの地主を抱える施設の場合、それだけ地主会側の事務手続きのボリュームも増えることになりますので、早めに届け出を行わないと間に合わなくなる可能性も高くなります。ですので、いつまでに契約・届け出をすれば当該年度の入金に間に合うか、事前に不動産会社にしっかりと確認するようにしましょう。

 

法改正などの確認も忘れずに

軍用地も歴とした不動産であり、関連する法律や税制が改正されれば、将来的にその影響を受けることも考えられます。例を挙げますと、先ごろ可決・成立した「土地規制法」などもそのひとつで、軍用地投資におよぼす影響範囲について、多方面よりお問合わせをいただいているところです。

こうした法整備に関する情報をタイムリーに収集し、プラス・マイナス両面の影響についてお伝えしていくことも軍用地業者の重要な役割のひとつだと思いますので、気になる法律・税制の改正、その他社会情勢の変化などがあれば、事前にしっかりと確認しておくとよいでしょう。

 

次回ブログへ

今回は、軍用地に関するトラブルについて、さまざまなケースを例にお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

トラブルの多くは、業者側の説明不足に起因するボタンのかけ違い程度のものですが、そのまま放っておくと、後々大きなトラブルに発展してしまうことも少なくありません。業者とのやりとりに何かしら違和感を感じましたら、一度立ち止まり、冷静に問題がないかを確認するようにしていただければと思います。

次回は、軍用地料の値上げ交渉などを行っている団体「土地連(一般社団法人沖縄県軍用地等地主会連合会)」や「地主会」についてお話をしていきたいと思いますので、どうぞお楽しみに!

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